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JABEE修了生の身につけている知識・能力
JABEEは、大学や高専(本科4・5年から専攻科1・2年)などの理工系、農学系の学科やコース(以下「プログラム」という)の教育内容が、国際的な協定に準拠してJABEEが設定・公開している技術者教育の認定基準に適合しているか否かを審査し、適合している場合にはそのプログラムを認定しています。
JABEEの認定基準では、国際的な技術者教育認定と技術者資格認定の団体により構成される国際エンジニアリング連合(IEA)の定めた指標に基づいて、プログラムが修了生に以下の9項目の知識・能力を身につけさせる教育を行うことを求めています。
- (a)地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
- (b)技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、及び技術者の社会に対する貢献と責任に関する理解
- (c)数学、自然科学及び情報技術に関する知識とそれらを応用する能力
- (d)当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
- (e)種々の科学、技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
- (f)論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力
- (g)自主的、継続的に学習する能力
- (h)与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
- (i)チームで仕事をするための能力
JABEEの認定基準は、上記の9項目をプログラムが自ら具体化して「学習・教育到達目標」として設定し、これを達成した学生のみを修了させるという学習成果重視の考え方に基づいています。
つまり、JABEE認定プログラムの修了生全員がこの9項目の内容を身につけていると言えます。
JABEE認定プログラムの修了生は、科学技術の知識だけでなく、デザイン能力、コミュニケーション能力、チームワーク能力、技術者倫理などを身につけており、そうした問題解決型人材は、必ず産業界のお役に立てるものと考えます。また、JABEE認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士資格の第一次試験が免除されていますので、企業における有資格者の育成にも有効です。
産業界のご理解をお願いします
JABEEが目指す技術者教育は、最近国が推進している理工系人材育成戦略の考え方をいち早く具現化するものです。しかし、社会の要請に十分対応できる技術者教育を教育機関の考えだけで実現するのは難しく、卒業後の人材の活動の場である産業界からの要望を取り入れることが重要です。業界団体を通じた活動や視察などによってJABEEの技術者教育認定プログラムの教育内容を知り、教育界への要望等を発信していただけるようお願いします。また、JABEE認定プログラムの修了生が身につけている知識・能力が十分発揮できるような環境をご検討いただければ幸いです。
JABEEの審査員への挙手をお願いいたします
技術者教育プログラムが、産業界や社会の要望に応えられるよう適切に教育を行っているか否かを審査するため、原則として審査団には企業・産業界の方を審査員として含むようにしています。現在も、学協会の企業在籍会員が少なからず審査員として活動されていますが、ボランティアにも関わらず、休暇を取ってご協力いただくケースも多いようです。
審査員としての活動は、社会や産業界への貢献はもとより、そこで得た教育の実態に関する知見は企業内の人材育成等にも生かせるものだと考えます。JABEEの審査員として活動頂ける人材のご提供や、その方々へのサポートなど、ぜひご検討いただきますようお願いいたします。