ワシントン協定


1989年に設立されたエンジニア教育認定団体の国際的協定です。 JABEEは2005年に加盟しました。

ワシントン協定とは

ワシントン協定(Washington Accord)は、技術者教育の実質的同等性を相互承認するための国際協定です。この協定の目的は、各加盟団体が行う技術者教育認定制度の認定基準・審査の手順と方法の実質的同等性を相互に認め合うことにより、他の加盟団体が認定した技術者教育プログラムの実質的同等性、ひいてはその修了者について自国・地域の認定機関が認定したプログラム修了者と同様に専門レベルで技術業を行うための教育要件を満たしていることを相互に認め合うことです。1989年11月に最初の6カ国・地域を代表する技術者教育認定団体が協定を結び、2005年6月に日本を代表する認定団体としてJABEEの正式加盟が認められました。2017年に新たに加盟の認められたパキスタンを含め、現在の加盟団体は以下19団体と、暫定加盟の5団体(バングラディッシュ、フィリピン、ペルー、コスタリカ、メキシコ)です。アングロ・アメリカン諸国から始まったワシントン協定は、非英語圏を含む世界の技術者教育認定団体の相互協定へと変遷・拡大しています。

  • 米国: Accreditation Board for Engineering and Technology (ABET)
  • カナダ: Engineers Canada
  • 英国: Engineering Council UK (ECUK)
  • オーストラリア: Engineers Australia (EA)
  • アイルランド: Engineers Ireland (EngIRE)
  • ニュージーランド: The Institution of Professional Engineers New Zealand (IPENZ) (以上1989年加盟)
  • 香港: The Hong Kong Institution of Engineers (HKIE) (1995年加盟)
  • 南アフリカ:The Engineering Council of South Africa (ECSA)(1999年加盟)
  • 日本:日本技術者教育認定機構 (JABEE) (2005年加盟)
  • シンガポール:Institution of Engineers Singapore (IES) (2006年加盟)
  • 韓国:Accreditation Board for Engineering Education of Korea (ABEEK) (2007年加盟)
  • 台湾:Institute of Engineering Education Taiwan (IEET)(2007年加盟)
  • マレーシア:Board of Engineers Malaysia (BEM) (2009年加盟)
  • トルコ:MUDEK (2011年加盟)
  • ロシア:Association for Engineering Education of Russia (AEER) (2012年加盟)
  • インド:National Board of Accreditation (NBA) (2014年加盟)
  • スリランカ:Institution of Engineers Sri Lanka (IESL) (2014年加盟)
  • 中国:China Association for Science and Technology (CAST) (2016年加盟)
  • パキスタン:Pakistan Engineering Council (PEC) (2017年加盟)

ワシントン協定総会及びJABEEのワシントン協定継続加盟の報告

2018年のIEA (International Engineering Alliance Meeting) 総会が6月23~29日、ロンドンで開催されました。IEAはエンジニアリング関係の教育プログラム認定のワシントン協定、シドニー協定、ダブリン協定と専門職業人のモビリティーの枠組であるIPEA (International Professional Engineers Agreement)、IETA (International Engineering Technologist Agreement)、AIET (Agreement for International Engineering Technicians)、APEC Engineerの7協定の連合体です。(参考:2018 IEAMスケジュール

2017年11月にワシントン協定の継続加盟審査チームが来日し、JABEE審査チームによる4プログラムの実地審査を視察した報告書(注)をもとに、ワシントン協定のClosed Sessionの審議で全ての加盟国にJABEEの審査は信頼できるものと認められ、6年の継続加盟が承認されました。

(注)本報告書は、CONFIDENTIALとなっておりますが、関係者(審査チーム/受審校)の了解を得れば公表できるといるルールに則り、公表いたします。

JABEEは2012年に第一回目の継続加盟審査を受けており、今回は二回目の継続加盟審査でした。報告書でもっとも大きな指摘は、認定基準にある「チーム力」に関するものでした。ワシントン協定が求めている「チーム力」は実は「Multi-disciplinaryなチーム力」です。しかしながら、今の日本の大学で他分野との協働によるチーム力教育を行うことは必ずしも容易ではありません。JABEEは、認定基準では単に「チーム力」と記述し、基準の解説で「Multi-disciplinaryなチーム力」が必要であることを述べています。ワシントン協定の継続加盟審査チームからは「フレキシブルなアプローチである」との評価を得ました。これから時間をかけて、受審プログラムと一緒に「Multi-disciplinaryなチーム力」の教育の内容の充実に取り組んでいきましょう。

その他、AEER (ロシア)、IES (シンガポール)の継続加盟、ICACIT (ペルー)が20番名の加盟団体として正式加盟、ACREDITA CI(チリ)の暫定加盟が承認されましたが、MyanmarとNigeriaの暫定加盟は準備不足であるとして見送られ、現在の暫定加盟は5団体になります。
ECUK (イギリス)の継続加盟については、認定決定に至るまでの調整や、チャータードエンジニアの登録における教育用件に関して多くの意見があり、条件付継続加盟となりました。
ECUKは発足当初からの加盟団体ですが、このように継続加盟審査では厳しくチェックされるということを、JABEEとしても肝に銘じておく必要があります。

なお、2004年4月19日付のワシントン協定規約改定で、認定プログラムの加盟国間の実質的同等性は、加盟の日付以降から有効となっていました。ワシントン協定総会における正式加盟承認が審査の翌年となるため、審査年度のプログラムは対象外でした。今般の会議ではこれを見直し、実質的同等性の開始日を加盟承認日の1年前とする遡及措置が承認されました。新規加盟、現加盟団体ともに適用されることになりましたので、2005年にワシントン協定に正式加盟したJABEEの場合、2004年度認定プログラムも実質的同等性が認められることになります。

記 青島泰之JABEE専務理事

ワシントン協定加盟以前の認定プログラムの取り扱いについて

1997年に定められたワシントン協定(WA)の規約は、「正式加盟が認められると、認定された技術者教育プログラムの加盟団体間の実質的同等性は、当該団体がワシントン協定に暫定加盟した日に遡って有効となる」としており、JABEEはそれに従って、関係者に説明してきました。しかし、その後、加盟希望国の増加とともに、規約変更の議論注)がWA加盟国の間で進み、2004年4月19日付で規約が改定され、過去に遡る適用が廃止されました。その結果、認定プログラム修了生の加盟国間の同等性は、加盟の日付以降から有効となることになりました。

JABEEの加盟は、残念ながら規約改定の後となりました。そのため、同等性発効に関するJABEEのかつての説明が、結果的に事実と反してしまったことは、大変申し訳ないと思っております。事情ご賢察の上、ご理解いただくようお願いします。

なお、JABEE認定プログラムの2001年度から2004年度までの修了生が、海外で認定プログラム修了生であることの証明が必要になった場合には、所属する教育機関を通じてJABEEに証明書の申請をしてください。「JABEEとしてはWAに 正式加盟する以前から同等の基準と水準で認定しているので、貴国においても同等に取り扱っていただきたい」という趣旨の依頼状あるいは説明を添えた証明書を発行いたします。

注)
WAは、2003年のニュージーランドでの総会において、新規加盟希望国の増大を踏まえ、これまでの加盟ガイドラインを見直し、その改定を行うことを決定した。その主旨は、多様な教育システムや認定システムをもつ加盟希望国に対して、WA諸国との同等性を確保できるよう、加盟国が支援・指導することであった。そうした経緯の中で、「暫定加盟」は認定システムが未熟な状態でも、コンセプトが同様であり、同等性を達成できるポテンシャルがあればよいこと、同等性は正式加盟をもって有効とすることなどが確認、合意され、2004年4月19日にWAのウェブサイトに公開された。

2005年9月6日
日本技術者教育認定機構
会 長 大橋秀雄
認定委員会委員長 大中逸雄


ワシントン協定加盟通知文書

ワシントン協定議長からの通知文書

2005年8月16日

JABEE事務局宛

日本技術者教育認定機構(JABEE)から出されたワシントン協定への加盟申請について、2005年6月に香港で開催された第7回ワシントン 協定総会における審議結果についてお知らせいたします。

私達はJABEEがワシントン協定に引き続き参画されることを嬉しく思います。
加盟している団体の認定システムおよびそのシステムで認定された技術者教育プログラムは実質的に同等であることをワシントン協定では相互に認めています。各加盟国の認定団体によって認定されたプログラムの修了生は就業初期レベル(entry level)の技術者としての能力を身につけていることが求められます。
今後ともワシントン協定の目標達成のため、共に努力致したいと思います。

ワシントン・アコード議長
Peter Greenwood
Engineers Australia

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ワシントン協定事務局からの連絡文書

2005年8月16日

JABEE事務局宛

ワシントン協定加盟国は2005年6月15日の香港における第7回総会において正式加盟の申請案件について審議致しました。 JABEEの加盟の採決に先立って、2004年4月の訪問審査の結果の総括報告書が加盟各国に事前送付され、それぞれ審議を尽くしたうえでJABEEの加盟が承認されました。

ワシントン協定の規定として加盟認証の有効期間は最長6年となっています。認証有効期間はプログラムの質を反映するものではありません。指定された期間を越えて認証を継続するためにはワシントン 協定の規則と手順に定められたとおり、認定団体の認定システムについて継続審査が必要です。

認定ポリシーと手順、認定基準等JABEEの認証に影響するような変更が生じた場合はワシントン協定事務局に通知してください。

加盟国の判定について同意できない場合は、アピール委員会による別個の審査を、異なる審査チーム構成のもと前回審査と同じ方法で、6ヶ月以内に実施することを要求することができます。その他の事項についてはワシントン 協定の規則と手順の1.9項を参照してください。

ワシントン協定事務局
George D. Peterson, ABET

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JABEE 日本技術者教育認定機構

認証の適用範囲:
技術者教育(学士課程)Bachelor of Engineering

認証期間は2011年までとします。JABEEの認定制度とJABEEにより認定された技術者教育プログラムはワシントン協定加盟国の認定システムおよび技術者教育プログラムと実質的に同等であると見なします。

継続審査のための通知を2010年に送付いたします。次回の継続審査に備え、JABEEに関するワシントン協定審査チーム報告書において指摘された事項に対し、どのような改善を行ったかを説明する報告書を、2010年の6月までにワシントン 協定事務局まで提出してください。継続審査では、一般的審査事項に加え、これらの指摘事項についても審査されます。

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JABEEはワシントン協定への加盟を実現しました

香港の新しいハイテク・ビジネスポートとして開発されたサイバーポートの会議場で6月15日に第7回ワシントン協定総会が開催され、日本を代表する技術者教育認定機関としてJABEEの正式加盟が全員一致で承認されました。

JABEEはワシントン協定(WA)への加盟を、その設立目的の「国際的に通用する技術者の育成」を担保する重要な柱として達成目標に掲げてきました。設立準備の時期から、我が国の教育制度を踏まえつつ、認定基準や審査の手順と方法などについては、米国等WA加盟国との実質的な同等性を確保できる認定審査システムを構築してきました。2001年に暫定加盟を果たし、その後の制度確立と認定実績により、2003年11月と2004年4月のWA審査団による訪問審査を経て、今回正式加盟が実現しました。このことにより、JABEEの認定システムと認定された技術者教育プログラムは、加盟国の認定システムおよび同一分野の技術者教育プログラムと実質的に同等と認められることになります。

今回、JABEE(日本)は第9番目の加盟国、また非英語圏から初めての加盟国となりました。暫定加盟国(地域)としては、2003年のドイツ、シンガポール、マレーシアに加え、新たに韓国と台湾が承認されました。ロシア、中国、インドに加え欧州の技術者資格認定団体(FEANI)のプレゼンテーションも行われ、ワシントン 協定は国際的な技術者教育の質保証システムへと拡大、発展しつつあります。

吉川前会長から「大学、学協会、企業などの多くの関係者の努力によって、JABEEは着実に歩みを進めてきました。その努力がこのたびワシントン ・アコードへの加盟承認として実を結んだことは大きな喜びであり、ここに関係者の方々に深甚の謝意を表します。日本の教育が国際舞台に登場するのはあまり例が無いことであり、このたびの加盟は、日本の技術者教育が新しい段階に入ると同時に、教育の分野での国際的責務が大きくなったことを意味します。今後は技術における研究開発のみならず、技術者教育の分野でもわが国が国際的に大きな貢献をすることが期待されます。」とのメッセージが寄せられています。

プレスリリース「ワシントン・アコード加盟について」 (2005.6.15)

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