技術者教育認定の国際的相互認証
JABEEは技術者教育認定の国際的枠組みに参加しており、理工農学系ではワシントン協定、情報系ではソウル協定、建築設計・計画系ではキャンベラ協定にそれぞれ加盟しています。JABEEは、それらの協定の考え方に準拠して定めた認定基準に基づきプログラムを審査し、認定しています。
ワシントン協定、ソウル協定、キャンベラ協定に加盟
「JABEE設立の経緯」に示すように、資金や材料・製品ばかりでなく、技術や人材が国を超えて流通していく中で、教育も国際的な相互承認と競争が同時進行しています。20世紀後半から「技術の専門職能資格の相互承認」と「技術者教育認定の相互承認」の連携が検討され、将来の全面的相互承認を目指して協定が結ばれています。
技術者教育認定の国際的相互承認は、1989年のワシントン協定創設によって始まり、その後環太平洋圏を中心に加盟国が増加しています。なお、ワシントン協定への加盟は1国1団体に限られ、かつ非政府系団体であることが条件となっており、2005年に正式加盟したJABEEが日本における唯一の加盟団体となっています。
ワシントン協定は、将来的には、すべての加盟団体が認定したプログラムの修了生がある国の専門職能に関する資格を得るにあたって、当該国のプログラム修了生と同等に扱われることを目指しています。そのための前提として、各国の認定団体が認定している技術者教育のシステムとその質が実質的に同等であることが必要であるため、「教育の質保証の同等性の相互承認」が協定の趣旨となっています。JABEEは、文部科学省および日本技術士会に働きかけ、2022年よりワシントン協定加盟団体が認定した海外のプログラムの修了生に対し、JABEEが認定した国内のプログラムの修了生と同等の技術士第一次試験の免除措置が適用されることになりました。最近では、ワシントン協定加盟団体が認定したプログラムへの留学を、国費留学生扱いの条件とする国も出てきています。また、国によっては、その国で技術者として働くためには、ワシントン協定加盟団体が認定したプログラムを修了していることが条件となっている場合もあります。
2008年にはワシントン協定に近い内容で、情報系専門教育を対象とするソウル協定が設立されており、JABEEも創設時から加盟しています。
また、2019年には建築設計・計画系の教育認定団体の国際的協定であるキャンベラ協定への加盟を果たしました。
これらの国際協定の詳細については、国際活動のページをご覧ください。
