JABEEから留学生へのメッセージ
JABEE修了の意義
JABEE認定プログラムの修了は、「国際的に通用する技術者教育を受け、技術士(Professional Engineer)としてのスタートラインに立った」ことを意味します。また、修了生は世界から「国際的に通用する技術者教育を受けた者」とみなされます。技術者教育認定機関の世界的な集まりであるワシントン協定に加盟する国々では、技術者教育認定を受けたプログラムの修了生だけが原則、技術士となることができます。
国ごとに定められた認定プログラム修了生の権利
自国の認定団体によって認定されたプログラムの修了生、もしくはワシントン協定加盟団体によって認定されたプログラムの修了生に与えられる権利は、国によってまちまちですが、概ね、認定を取ったプログラムの修了生だけにその国のPEになる道が開かれています。
香港では、PE志願者は認定プログラムの修了生である必要があり、これはPE資格登録の要件のひとつとなっています。ちなみに香港工科大学では、JABEE認定プログラム修了生を、卒業生と同等とみなしています。
オーストラリアでは、外国人技術士がワーキングビザ申請をする場合、この査定プロセス がは簡略化され、費用軽減がされるという利点があります。
米国のいくつかの州では、ワシントン協定の加盟団体の認定プログラム修了生は、“ワシントン協定修了生”と呼ばれます。彼らは、Principles and Practice of Engineering (PE)試験の前にFE (Fundamentals of Engineering) 試験を受験する際、米国の認定プログラム修了生と同等に扱われるなど、煩雑な受験手続が大幅に簡素化されます。
工学系プログラムにおける日本の状況
ワシントン協定に加盟する国では、工学系のプログラムは認定を受けていることが通常ですが、日本の大学の工学系プログラムは必ずしもJABEEの認定を受けているわけではありません。これを認識していなかった留学生が、JABEE認定プログラムではない学科を卒業し、帰国後に技術士として仕事することができない、という不幸な例が起こっています。
その様な問題を防ぐために、マレーシア政府はJABEE認定プログラムに留学する学生にのみに国費留学奨学金を支給するようにしています。
ちなみに技術士の資格は、文部科学省により認定されています。なお、JABEE修了生は、日本の技術士資格試験の一次試験が免除となります。
将来国際的に活躍する技術者として活躍する事を目標として、日本の技術系大学への留学をお考えの方は、JABEE認定プログラムへの留学を選択されることをお薦めします。