認定のしくみ・認定基準


認定対象となるプログラム・認定基準・審査から認定へのプロセスなどを示します。

認定対象のプログラム

大学の理工系、農業系学士課程と一部の修士課程、一部の大学校および高等専門学校の本科4・5年と専攻科1・2年の4年間の課程(学士課程に相当)に属する学科、専攻あるいはその中のコースなどです。

認定基準および達成すべき知識と能力

基準1:学習・教育到達目標の設定と公開

  • 1.1 自立した技術者像の設定と公開・周知
  • 1.2 学習・教育到達目標の設定と公開・周知

基準2:教育手段

  • 2.1 カリキュラム・ポリシーに基づく教育課程、科目の設計と開示
  • 2.2 シラバスに基づく教育の実施と主体的な学習の促進
  • 2.3 教員団、教育支援体制の整備と教育の実施
  • 2.4 アドミッション・ポリシーとそれに基づく学生の受け入れ
  • 2.5 教育環境及び学習支援環境の運用と開示

基準3:学習・教育到達目標の達成

  • 3.1 学習・教育到達目標の達成
  • 3.2 知識・能力観点から見た修了生の到達度点検

基準4:教育改善

  • 4.1 内部質保証システムの構成・実施と開示
  • 4.2 継続的改善

基準1における「学習・教育到達目標」はプログラム修了生が身につけているべき知識と能力およびその水準を規定したもので、以下の知識・能力観点(a)~(i)の9項目をプログラムの目的に合わせて具体化したものです。

  • (a)地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
  • (b)技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、及び技術者の社会に対する貢献と責任に関する理解
  • (c)数学、自然科学及び情報技術に関する知識とそれらを応用する能力
  • (d)当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
  • (e)種々の科学、技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
  • (f)論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力
  • (g)自主的、継続的に学習する能力
  • (h)与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
  • (i)チームで仕事をするための能力

これらの知識・能力観点は、技術者教育の国際的協定であるワシントン協定が示している12項目の知識・能力(Graduate Attributes)をもとに、我が国の教育の特質も加味して9項目にまとめたものです。科学技術の知識だけでなく、社会の要求を解決するためのデザイン能力、コミュニケーション能力、チームワーク能力、技術者倫理など世界の技術系高等教育の標準となる能力の教育が行われていることを要求しています。

認定のプロセス

JABEEの認定は、関連する技術分野の学協会が結成した公正・中立な審査団による第三者ピアレビューを実施していることを特徴とします。
認定のプロセスは技術者教育プログラムからの認定申請によって開始されます。審査団は自己点検書の審査、実地審査を実施し、その結果を審査報告書として取りまとめます。JABEEの分野別審査委員会、認定・審査調整委員会によって審査報告書が調整審議され、認定会議により認定の可否が決定されます。理事会の承認後、プログラムに対して認定の可否が通知されるとともに、プログラム名が公表されます。

認定の有効期間

審査で認定が認められると、その年度(場合によっては前年度)から最長6年間認定が有効となります。
ただし、審査結果で弱点が指摘された場合、認定有効期間を維持するためには、指定された年度(通常3年後)に中間審査を受け、欠陥が無いことを確認して認定される必要があります。6年間の認定有効期間が終了した時点で認定を継続するためには、認定最終有効年度の翌年度までに認定継続審査を受ける必要があります。